保険に入る時には必ずお客様に健康告知といって健康状態を聞くことになっている。 健康告知項目は、主に5年以内の入院手術、3ヶ月以内の病院受診、健康診断に再検査項目が無かったなど6~8項目ぐらいある。 その項目の中に「入れ墨がはいっているかどうか。」は無い。
しかしながら、私たちが営業の過程で入れ墨があることを知ったならば(そでからちらっと見えたとか、会話の中で聞いてしまったとか。)本社へ報告をしなければならない。
入れ墨は入っている方は、通常の契約と比べ手間が増える。一つは本社への事前申請。これは申し込み自体が出来るかどうかの申請。(この申請ではじかれると申し込み出来ない。) もう一つは、お客様に特別な血液検査をしていただく事。なんでも入れ墨を入れたことによる身体的リスクがあるらしくそれを調べるらしい。
12月、既契約者様から紹介をいただく事が出来た。師走はお客様も保険の話を聞くような時間をとっていただけず保険募集が難しい月。中旬になると一気にクリスマスモード。前半勝負の月である。
そんな中、紹介はとてもありがたかった。 早速紹介していただいた方に会いに行き、無事契約にこぎ着けた。
しかし契約を頂いた後、ひょんな事から入れ墨が入っていることが分かった。前半に一本契約をいただき一安心していた12月。一気に気分が落ち込む。
次の日、その事を所長に告げたら、
「ばれないから大丈夫だよ~。手続きも全部終わってるんでしょ?」
とけろりと言われた。
「そうか、、」
と私も納得しかけたが、マネージャーが
「絶対言わなきゃダメだよ!ばれたら退職金貰えなくなるんだよ!所長なんか転勤してしまえば良いんだから!!私たちはそうはいかなんだよ!」
と言う。今思えば本当によく止めてくれた。私は所長のところに行き
と言った。これ以上止めたら自分もやばいと思ったのか
「いいよ。」(←何がいいよ?!なんだか💢)
と一言。そしてすぐさま受話器をとり、担当部署に報告の電話をかけた。(因みに【ばれないから大丈夫と言ったこの所長は】は次の年には移動になり、またその数年後には会社を退職した。)
所長の報告を皮切りに、申請手続きにとりかかる。アナログのうちの会社は未だ紙ベース。申請書類を作り本社に書類を提出。
すると次の日、電話がかかってくる。担当部署とのやりとりは所長を通じてやるのがルール。(すぐそこで話しているのに私たち営業は電話を替わって貰えない。)
伝言ゲームみたいに所長が電話口で、 「契約者の職業は何に?」 と聞いてくる。 「職業は○○です。」
しばらくするとまた電話。 「契約者とはどこで知り合ったの?」 「既契約者様からの紹介です。」 電話を切る。
プルルゥ~プルルゥ~また電話の音。 「紹介してくれた契約者の名前は?」 「・・・・○○様です。」
プルルゥ~プルルゥ~ 「紹介してくれた人の職業は?」
プルルゥ~プルルゥ~ 「入れ墨を入れた時期は?」
あああ~もう~いっぺんに聞いてこいよ!!! この一門一答は2日間に渡って続いた。
そして3日目、申請が無事おりた。因みにこの申請で「不可」が来た場合、全ての手続きが無効になる。
さあ申請がおりたところでもう一山。次はお客様に追加の検査をしていただかなくてはならない。
今までの審査は、あくまでもコンプライアンス的なもの。追加の検査は、お客様の健康状態を調べる「血液検査」。 早速お客様へ連絡を入れなければ。。。が、お客様は全て手続きが終わっているものと思っている。そこにこんな面倒な電話をしなければならない。気が重い。 「○○生命のものですが、先日はありがとうございました。それでなんですが、、、実は追加の血液検査が必要でして、、、年末のお忙しい時期に本当に申し訳ないのですが今月中にお時間とっていただけないでしょうか?」 「えぇ~マジで。この前で終わったんじゃなかったの~。」 とそりゃそうだよな、当然の反応が返ってきた。
それでも何とか、時間をとっていただく事が出来た。当日お客様の指定する場所に、血液検査をする社医(保険会社専属のお医者様。)と一緒に向かう。
すると開口一番お客様は 「いやぁ~二日酔いだ~昨日朝まで飲んでたよ~」 とさらっと仰った。
これから血液検査するのに~~。二日酔いで血液検査なんて、なんか引っかかったらどうすんだよ~と血の気が引く思いだった。
検査をする時は、営業は同席出来ない決まりがあるため、外で待つ。検査が終わり社医さんは早々に帰る。
今思えば尿検査ならともかく二日酔いと血液検査はあまり関係ないように思うが、その時はテンパってて気が気では無かった。
その後、審査結果がでた。【無条件】=【無事契約成立】
【無条件】審査が無事通ったという事。 年末の休みに入る2日前だった😭
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