会社の個室から聞こえる歌声。             

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 朝礼終わり。外回りの準備をしていると、奥の応接室から突然歌声が聞こえる。菅田将暉のまちがいさがしのさびの部分だ。タブレットをを前に大声で歌っている居るのは他でも無い、うちの所長だ。

入社式とは普通は4月にあるもんじゃないの?と思いきや、うちの会社には毎月入社式があるのだ。 新人が入った営業所は、新人さんと所長とで支社まで行って出席。                   新人が入らなかった営業所は、所長が各営業所でリモート参加。                                    うちの営業所はと言うと、入社0名。なので営業所の応接室でリモート参加。そして歌を歌歌わなければならない。それって罰ゲームだよね。。。                           因みに採用が出来た所長達も支社で歌を歌う。【結局、皆歌うのか!!】 って言うかどっちかっていったリモートで歌う方がまだましな気がする。いやいや、どっちがましかと言う問題ではない。       聞いたら各営業所長のしき紹介というのがありその時に歌を歌うという事らしい。恐らく支社長が決めたのだろうが、決めた本人は歌わない。働き盛りの所長達を集めて昼間っから歌を歌わせる、若者の無駄遣いだろ。                

 入社式はともかく、かれこれ10ヶ月うちの営業所に新人が入っていない。これは保険会社にとっては、かなり緊急時代なのだ。特に所長は胃が痛かろう。それどころか、退職を願い出ている人もちらほらいる。また来月は査定月だ。最低の査定ノルマをクリア出来なければ首になるのが保険外交員。辞めた人と、査定クリアが危うい人の数を合わせると、営業所の人数は3分の2ほどになってしう。

結果が出ないとどうなるか?ルールが増える。研修が増える。資料が増える。仕事が増える。

まずは、午前中の地区活動が義務づけられた。(道を歩いてる女性に声をかける。)                           そして朝礼での今日の来社予定の発表。                            朝礼時間に10分時間をとって一斉にテレアポをする。                      そして「やっぱり良い会社と言うのは挨拶が大事だよね~!」と言う事で、お客様が営業所に来たときは、皆何をしていようとも手を止め立ち上がり「いらっしゃませ~!」と挨拶をする。一斉に立ち上がり急に上げたテンションでの挨拶。お~寒い。怖い。お客様にはどう見えるのだろう。

そして新ルール投入の元、かれこれ5ヶ月6ヶ月が過ぎた。結果は出ない。地区活動も来社の発表も、テレアポも惰性になっていく。

 そして早い夏がやってきて外は猛暑。地区活動はもはや苦行でしか無い。             個人的に言えば、新人が入ってこようが来まいが知ったちゃ無い。保険会社のシステムとして自分が新人採用に携わり自分の班に新人がはってくれば、役職がつく仕組みとなっている。が残念ながら役職に関しては興味のかけらも無い。そして採用をした人や班長さんが新人さんに仕事を教える事となる。この「仕事を教える」と言えばあまりにさらっとしているが、要は同行しまくって保険をとるのだ。 

  会社が行う新人研修とはあくまでも【机上で行う研修】。それは所長もしかり、今日の予定の確認や活動の報告を聞くなど、あくまでも机上のお話。野球の本を読んだからって、ヒットが打てるようになるわけでは無く、営業所でいくら研修受けたって契約は取れない。現場の私たちが汗を流し一緒につれてまわるのだ。自分の契約とるのだって大変なのに!                     今まで班長さん達が散々同行しまくって、なんとか査定をクリア出来るまでの契約を上げさせて、一年足らずで辞めていく。そんな光景を何度も見ている。本当に胸が痛い。なのに【教える事は二度学ぶこと。】とかクーラー聞いてる部屋で言われるとイラッとくる。

数日後には、また入社式。そして今月も営業所には新人は入らなかった。今頃所長は、何の歌を歌おうか考えている頃だろう。。。

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