喉が渇いている人がいたとして、水が入ったコップを差し出すことは出来るが飲むかどうかは本人次第だ。 喉が渇いている人がいたとして、水が入ったコップを差し出しても飲もうとしないのならば無理矢理でも飲ませるべきだ。
どちらがリーダーとして適切なのだろうか？
保険営業において、日々の活動の一つ一つの選択が結果に繋がってくる。よほどの才があるなら別として、コツコツと地道に外回りをしなければ結果は出ない。コツコツやっても結果に繋がらなければ、コツコツのやり方を修正してまたコツコツ試してみるしかない。
朝、机の上には班員さんの日報が置いてある。班員さんといっても二人だけで、一人は10年ちょっと勤務している中堅。そしてもう一人は、延長雇用しているもうじき70才になる超ベテランさん。二人の日報を開き昨日の活動を確認する。
あ～【この日報＝この活動】を100日続けたところで結果は出ないだろうな～。 ベテランさんはまず動かない。外に出ない。今の所長は厳しくて11時過ぎまで営業所にいると ｢外出て～｣と声をかけるので仕方なしに出かけてるみたいだが、外に出てもランチで時間を潰しているようだ。(まぁ私も家に帰っているので人の事は言えないが。）
口癖は ｢外出てって～、と言われても行くとこ無いのよ～｣ 営業たるもの行くところは自分で作るものなのだ！とは言えないので、もっと具体的に ｢既契約者さんのところまわってみたらどうですか？｣ ベテランさんのタブレットを除き、近くに住んでいる既契約者さんをピックアップしてリストを見せてみる。時には｢来月誕生日に電話をかけてみたら？｣ といってそのリストも見せて見る。
中堅の班員さんは、私とほぼ同時期に入社。10年間苦楽を共にしてきた。私が１番愚痴を言えるのは彼女だ。けれど数字が全く出ない。保険営業はぶら下がり競争のみたいなところもあり【長く続けている】という事がアドバンテージとなる。ほとんどの人がすぐ辞めてしまうだ。 見ている人は見ていてくれる。長くコツコツ続けていると以外な人がお客様になってくれる。 【長く続ける】というアドバンテージは十分に満たしているのに、契約に至らないのはなにか必ず原因があるはず。
ずっと張り付いて見ている訳ではないので分からないが、私が思いつく範囲で提案をしてみる。例えば「日々の活動にお店の飛込みもプラスしてみたらどうかな？」 ｢既契約者さんのお子さんとか紹介して貰えば？｣ などなど。
まぁたいした奇策でもないんだけど、提案は【なるべく具体的に。直ぐ始められる様な事】をと考えて伝えるようにしている。
でも、私に出来ることはここ迄。そうコップに水を入れて差し出す。
しかし、班は数字が出ない。週1日の締め切り。班の数字をとりまとめ所長に持って行く。第二回目の締め切りで報告数字が0。見込みも上がってこない。週明けまでノルマの30％まで契約を持ってこいと言われても、絵に描いた餅どころか空に浮かぶユーホーだよ。
そこで私は、言ってしまう。 「具体的に提案はするが、やるかやらないかは本人次第だと思う。ここは学校でもないし、皆大人だし。最後は自分次第だと。｣
しかし所長は言う。 ｢差し出した水を飲まないならば、口に近づけてでも飲ませるのがリーダーの仕事｣ だと。どちらが正しいのか。どちらも極端なのか、もうどうしたいいの分かんない。 私の言い方が悪いのかなぁ～と思いニュアンスを変えて伝えてみても難しい。 言葉がはじかれているのが本当にほんと～によく分かる。ガラスに向かってボール投げてるみたいに、カンカンって跳ね返る音が聞こえてくる。
そもそも、人からああだこうだ言われるの嫌じゃ無い人なんているの？ 新卒採用ならまだしも、子育て中の主婦層をターゲットに新規採用をしているし、もうそこそこのお年のいい大人なのだ。
最近思ったんだけど、助言を元にパパッと行動を変えることが出来る人、それは素直なんじゃない。【向上心と好奇心が強い人】なんじゃ無いだろうか？
【自分の目指すところに最短距離で行ける、聞いた方が早いし。その方法やったことが無かったから一回試してみよう～！新しい事やってみよう！】 と思えるか。
向上心は、向上した先にもっとうれしい自分の姿が想像出来れば持つことが出来るのかもしれない？ では好奇心は？人の心に好奇心を宿すにはどうしたらいいのかな？
ともかく、コップに水は入ったままの状態。今月も数字が出ないストレスと闘わねばならない。
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